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「34歳無職さん」メモ2 [読書]

暇なわけでは(全く)ないのだが、時間の無駄遣いをする。


34歳無職さん 1 (MFコミックス フラッパーシリーズ)



「34歳無職さん」の売りは何だろう。
帯にある「“無職系女子”の何気ない日常」と言っても、考えようによっては、結構過酷な状況にあるのはすぐに分かる。ファンタジーじゃないだろ? まさか、これを一般中高生は購読しないだろ?
(設定には、まだ面倒な人間関係があるが、2巻以降のネタばれになる)

色々な作品でネタになっているが、現代日本で収入が保証されない状況は笑えるぐらいきつい。

その状況の中で、1年間何もしないと決めるのは、特別な判断かもしれない。
やっぱりファンタジーか。 非日常じゃんか。
時間制限のついたファンタジー。 期限を越えると暗転する保護区。
(自分は閉域に関心があるので、何でも閉域に見える。)

そのファンタジックな状況の中で営まれる日常。
掃除、洗濯、布団干し、食事、お茶、片付け、入浴、買い物・・・
ゴミ出しは失敗することもあるが、多くの日常的営為はキチンとこなされていく。
いけだ先生はきっと綺麗好きだな。

きっとこの淡々とした「キチンと」感が売りなんだろう。
(ちとネタばれすると、無職さんは結婚経験があるので、基本的スキルは身につけているのだろう。)
「キチンと」感は背景などでも表現されている。

私は憧れる。 激しく身を燻されるように憧れてしまう。
仕事中心の生活をしていると、日常的営為を「キチンと」こなすのは難しい。
生活の「キチンと」感は低下していく。

そういう意味でも、この作品はファンタジーなのだろう。 やっぱり非日常だ。

そうした設定の中で、いけだ先生は時々サービスショットを混ぜる。
最初のページからそうだし、無職さんが時々見せるドジッ子ぶりもそうだろう。
そのサービスショットが「キチンと」感とコントラストをつくって、読み進む手掛かりを作っていく。



追記

このエントリは不適切だな。 自分。

無職であることをファンタジックなどと言ってはいけない。

また、日常的営為ができないのを仕事のせいにしてはいけない。

「34歳無職さん」の「キチンと」感は、良きものであり、かつ息遣いが聞き取れるリアルなものだ。
だらしないのは、自分のパーソナリティだろ? それでキチンとした生活に憧れるのはしかたないが(笑

その「キチンと」感の元、日常的営為はささやかかもしれないが、その繰り返しの中で季節や月の満ち欠けを感じることができるなら、十分豊かなのだろう。
食器を洗う水に季節を感じるくらいは、自分でも知っている。

この作品は、ささくれた気持ちを反省するのに、良い「鏡」にもなるということかな。




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