海街ダイアリー5 [読書]
海街diary(うみまちダイアリー)5 群青 (flowers コミックス)
- 作者: 吉田 秋生
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/12/10
- メディア: コミック
吉田先生「海街」シリーズ5巻。
毎回このシリーズの感想で同じことを書く(嘆く)が、現実はもっとスプラッターで、バイオレンスで、スカトロなんかもある(くどいな自分)。
その中で、ほとんどの登場人物が「良識の人」だし、まだ人間として「伸び盛り」であるというこのシリーズは、つかの間の安息をくれる。まあ、それだけで、このシリーズを読み続ける動機づけとして十分だよ。
前巻では恋人同士や友達同士が、相手と同じ目で「見る」ことの熱望が描かれていたが、この巻ではたとえ恋人同士や親子でも伝えることができない、いろいろな事があることを、お互いに認め合い、その上で信頼することが描かれている。(認められないこともあるけど)
中でも生死や病によることは、とても伝えきれる(受けとめきれる)ものではない。
こんなこと、文章で伝えるのは、かなり難しい。 バカみたいになる。
海街シリーズはちゃんと伝えてくれる。 コミックは良い。
それと、副題にもなっている「ヒマラヤの空」の話。
どんなに良い人でも「無慈悲な神(あるいは運命)」には、何ともやりきれない思いをさせられる。
山岸涼子が「日出処の天子」で描くように、仏は必要な時には決して現れない。
山や海や花ぐらいしか、役にたたない。
退院することの無い家族の病室から、富士山が見えることは、結構意味があった、というか、あらゆることの意味が軽くなる中で、富士山はまさに「ありがたかった」。
少なくとも後から思い出す時に助かる。
それが、大阪のおばちゃんの「アメちゃん」と同じとはね。
「どうにもならないが、アメでもなめとくか」か。
確かに。
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