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海街ダイアリー7 [読書]


海街diary 7 あの日の青空 (flowers コミックス)

海街diary 7 あの日の青空 (flowers コミックス)

  • 作者: 吉田 秋生
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2016/01/08
  • メディア: コミック



いまや大メジャー、海街ダイアリー7「あの日の青空」を、コンビニで買って読んだ(時代は変わった)。
6巻から約1年半、1巻が2007年だと自分が書いているので、まもなく9年になるシリーズの7回の発売日毎、ちゃんと数日以内に購入して読み続ける自分の「忠誠度」の根源はなんなのだろう。

吉田秋生先生の新人時代からのファンというは理由にならない。 途中にえらいブランクがある(先生ごめんなさい)。

毎回読書記録に書いているのは、ドロドロ、ぐちゃぐちゃで、いろいろ不都合なことも多く、自分でも信じられない逸脱の連続の「日常」というスペクタクルから、1、2時間だけ「海街」に没入して平穏な気持ちで居られるということなのだが、7巻はどうだったろう。

登場人物たちにとっては、それぞれ転機となる7巻だったが、6巻まで忠誠を尽くしてきた読者の期待を裏切るような展開にはなっていない。 
長女幸は、小児ガンの専門医との不倫の関係が終わってしばらく経つのだが、ようやく若い理学療法士との淡い恋が進展する。 総合病院の中では終末ケア担当の看護士と理学療法士という関係は結構渋いところを突いていると思うが、幸自身が「これが恋か」と疑問に思うほど前のドラマチックな関係とは違い、読者を不安に陥れるような展開はない。
次女佳乃は「ラバーズキス」側では少々複雑だった高校生朋章との別れの後、上司坂下への恋に苦戦していたが、今巻で成就させると同時に、坂下の謎の部分についても坂下本人から聞くことに成功する。ポイント高し。
三女千佳は、逆に平穏な交際が続いていた店長浜田がエベレストに向かうことに不安を感じるが、引き留めることができない。これも読者的には、「ああ、そうだよね」という展開だな。

「予定調和」というには、あまりに冴える吉田先生の名人芸で、やっぱり存在感なりに重要度を増す「狂言回し」山猫亭のマスターをはじめ脇役たちの会話も交え、いろいろ心に沁みて泣けるのであるが、全く不快なところがない。
ああ、今巻の脇役で超名演だったのは、奈良の鹿の皆さんと、新幹線「のぞみ」ちゃんだな、自分的には。

肝心の中学生たちの成長と恋愛についても、順調に進展中だが、前に予告されたすずの「巣立ち」について今巻で決定づけられる。 そこで風太もキャプテンらしい「見る目の良さ」を発揮できてめでたし。

全く別のレベルの動機づけとしては、漫画というのは、絵があるので漫画なのだが、連載各回に「ズキュン」とくるコマがあると、読者は読み続けてしまう。 おそらく少女マンガ読みはそうだと思う。
萩尾先生の世代はそのあたりを、それまでの大コマから、流れの途中の読者が油断しているコマに紛れ込ませる方法で作品の完成度と両立させることに成功した。 オタク世代が生まれる素地の一つを用意したとも言える。

何を言い出したのか、自分でも判らないが、今巻の中で、吉田先生になんどかヤラレテいる。
しかし、目の悪さが進むジジイの私は、自分がオタクであることを続けられるのかちょっと心配になってきた。
(なんのこっちゃ)
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