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「ささめきこと」メモ アングルの意味 [読書]

またしても「誰得」なメモなので。


ささめきこと 5 (MFコミックス アライブシリーズ)

ささめきこと 5 (MFコミックス アライブシリーズ)

  • 作者: いけだ たかし
  • 出版社/メーカー: メディアファクトリー
  • 発売日: 2009/09/23
  • メディア: コミック



一部では「迷走」が続いていると思われている5巻。 私はシリーズの中でも好きな巻ですな。
何しろ、6巻冒頭に起きる風間の「バースト」を準備する巻ですから。
あと、風間とハチがバスの中で対話するシーンは、やはり必殺シークエンスでしょ?
・・・っていうか、自分、登場人物の中でもハチが好きなだけじゃ。


そもそもいけだ先生のコミックスを探していたのは、何年か前にネットで「34歳無職」が話題になったからで、その保管庫を見ていて、パースの取り方というか、アングルの操作が上手い先生だなと思っていたからだった。
(結果、誤って「ささめきこと」にハマッている)
少年漫画の素養が「全く無い」ので、一般性があるメモなのか、甚だ疑問だが、ささめきこと5巻でもアングルの操作が光る。

基本は、地謡の部分というか、登場人物の「見せ場、聞かせどころ」ではないコマは、アングルを振ってパースをつけていて、一方「見せ場、聞かせどころ」のコマでは、描かれた人物(見ているはずの人物)と同じ「高さ」で描かれている。 空間は無いこともある。
(何を言ってんだか分からない、自分。)
つまり、空間が表現されているコマは、読み手に客観性を維持させていて、逆に空間表現が省かれているコマでは、読み手は客観性を失って、感情移入してしまう仕組みになったいる。 
(知らない間に、村雨アイや風間アイで見ている)
この基本と、アップ、引きの組み合わせで、微妙に巻き込みを誘導しているというわけだね。 アップと引きにアングルを絡ませていると言った方が普通か。映画では。

じゃあ、6巻冒頭の風間「バースト」のローアングルは?
地謡にも「畳み掛ける」ところがあるでしょ? シテも激しく舞うところでは、うたっていないよね。
一度大振幅で振っておいて、風間が落ち着いていくのと、読者の感情の波をシンクロさせていくという・・・。
「バースト」をスクエアに見せるのは矛盾するし、まあ、全部同じ構造で統一されていないのはあたりまえだし。

こういった表現が可能というか、読者が意識せずでも読み取れるメディアとして、漫画はスゴイね。
ぼーと読んでいて、そーなるメディアはなかなかない。 文章では、そーはいかない。
映画やテレビはちと拘束度が高すぎる。 特に映画はぼーと見るものではない。
我が国が国を挙げて教育しているのは、そういうぼーと漫画を読む「姿勢」の教育だな。 スゴイ。
なんとか、これを活かしたいものだ(誰が?)。


しかし、正直言うと、ささめきことの村雨と風間は、あまり好きなキャラクターでは無いんだよね、自分。
特に風間。 でも、だんだん読み進めていくと、風間がかわいく見えてくるのは流石プロの技。 
単にヤラレテイル自分。


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